京都自転車日記

夏目漱石に「自転車日記」という小文があります。畏れ多いと自覚しつつブログのタイトルに拝借しました。京都市街は東西にも南北にも約10Km、自転車サイズの街です。美しい山々が街を囲み、その向こうには趣きのある山里や山寺が点在し、サイクリングコースに事欠くことはありません。 恵まれた環境が独特の自転車文化を育み、個性的な自転車屋さんや自転車愛好家が集まるお店がたくさんあります。 そんな京都の自転車事情を全国の自転車愛好家に紹介できたら良いな、と思っています。

山のなかで、グーグルカーに出会った

土日は天気も体調もイマイチで、珍しく自転車に乗りたいと思いませんでした。今日もなんだか体が重く「もしかしたら自転車に乗ってないから?」と思い、夕方から気分転換のつもりで北山を30km、1時間ほど走ってきました。やっぱり自転車は良い。元気になったような気がします。

途中で見晴らしの良い峠(持越峠)に自転車を停めて眼下の集落を眺めていると自動車の音が聞こえてきました。たまにとすれ違うこともある、そんな道です。「車か…」と思って音のする方を見ると、なんと Google Maps Street View を撮影している車です。いったい誰が見るんだ? と思わないでもないですが、こんなトコまで走っているのですね。凄いなぁ。

下の場所です。今日撮影したのはいつ反映されるのでしょう? ちょっと(いや、かなり)楽しみです。僕が写っていたらまた報告します(笑)

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ピエリ守山見物サイクリング

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空井戸サイクルの無我さんに煽られて、行ってきました「ピエリ守山」。食べてきました、リンガーハットの長崎ちゃんぽん。

生ける廃墟ってどんなんどんなん? と見に行ったのですが、今日は3連休の中日、そして明後日で閉店するというリンガーハットのちゃんぽんを食べ納めと言う人も多かったのか、店のないショッピングモールには意外と人が多く、リンガーハットも大繁盛。生ける廃墟というふぜいは味わえませんでした(笑)

でも、最高のサイクリング日和で、楽しい一日でした。

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景色は良いんですけどね。

桃源郷の秋

「秋だなぁ…」と感傷にふけるには強すぎる、真夏のような陽射しでしたね。サイクリングの途中、おにぎりを食べていたら蝉の声が聞こえました。それでも京都の北の山里ではほとんどの田んぼで稲刈りも終わり、民家の柿も色づいていました。

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花背峠、今日も30分切れませんでした。けっこう頑張ったつもりなんですが、33分。でも時間なんかどうでも良いんです(笑) 花背峠を越える本当の目的は、その先に控える桃源郷。花背、広河原、佐々里、黒田、山国… 美しい山里の数々。

今日は、鞍馬~花背~黒田~山国~周山を走ってきました。

鞍馬では火祭りの準備をしていました。廃校になった黒田小学校の校庭で地区の運動会が催されていました。山国には秋祭りを告知する幟が道沿いにはためいていました。周山の小学校でも、こちらは賑やかな運動会。どの集落も秋の休日らしいのんびりした時間が流れていました。

自転車に乗り始め、京都周辺の山の中をウロウロするようになってから、日ごとに「こういうところで暮らしたい」という気持ちが強くなります。はじめはほんの憧れに過ぎなかったものが、このごろはちょっと本気になりつつあります。

杉坂 道風神社

今日は花背の畑を見に行き、オープン間近の「補陀落山荘」にも顔をだして… と考えていたのですが、みごとに朝寝坊。しかし貴重な梅雨の晴れ間です。自転車に乗らないのはもったいないと思い、雲ヶ畑から持越峠~杉坂~京見峠の90分コースを、今日は2時間かけてのんびり走って来ました。

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杉坂から京見峠への登り口に、書家として有名な小野道風を祭神とする「道風神社」があります。鳥居越しに見えた緑の、あまりの美しさに誘われて、久しぶりに参拝してゆくことにしました。

広々とした境内がとても美しい神社ですが、境内が広々としているのは、かつて此処に不動明王を祀る「明王寺」と言う寺があったためです。本殿の隣には今も明王堂があります。

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境内に小さな泉があり、この水を汲んで硯の水に用いると書道が上達するそうです。鳥居の手前には保津川にそそぐ清滝川の支流、杉坂川が流れています。

この辺りは水の豊かなところで、京見峠の近くには、多くの人が美味しい水を求めて汲みにくる湧き水もあります。京見峠の杉坂側は、雨の後など道路がいつまでも乾きません。

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豊かな水源近くに不動明王を祀るという図式は、尾根を隔てた隣、雲ヶ畑の岩屋山志明院(岩屋不動)や、少し離れますが安曇川支流の明王谷三の滝に不動明王が出現したという葛川明王院と同じです。面白い。

水源にはもともと神様が祀られていて、神仏習合の過程で不動明王に置き換わっていったものだと思います。葛川明王院の地主神は「しこぶちさん」ですが、ここの地主神は小野氏の氏神だったのですかね。

葛川明王院と「しこぶちさん」については白洲正子さんの「かくれ里」に紹介されています。興味のある方はぜひ。

スチームローラーで花背峠

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春先から固定ギアが楽しくて仕方なく、サーリーのスチームローラーで北山を走り回っていました。で今日は、春先からの総仕上げというか、花背峠に挑戦してきました。

登ってみたら、意外とあっさり登れました。でも久々の大きな達成感。楽しかったぁ。

とは言っても、フロント46tに

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リアには20tをインストール。20tの存在感、もはやリアコグという雰囲気ではありません。

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ギア比2.3。ロードのアウターだけで登るのと、それほど大きな差ではないですね。

息があがらないよう、ゆっくりゆっくり登ったので、 鞍馬温泉から花背峠まで(標高差504m、距離5.8km、平均斜度8.6%、最高斜度約15%)ちょうど50分かかりました。峠に着いたとき、けっこう余裕があったので、もう少し頑張れたのかな? と思います。

峠からの下りは、ギアを軽くしたぶんバックを踏む力が大きくなったので、ゆっくり走って、想像していたよりなんとかなりました。

むしろ峠を下りきった先の緩やかな下りが、ギアが軽すぎてあまり楽しめませんでした。17tのギアもつけていたので、ホイールをひっくり返せば良いだけの話なんですが、そのまま走ってしまいました。

花背峠を登れたことでスチームローラーでの行動範囲が一気に広がりました。嬉しいなぁ。次は佐々里峠を越えて美山のほうに回ってみたい。

サイクリングレポート:雲ヶ畑岩谷山志明院

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昨日ほどは良い天気でもないし、月曜日に疲れを残さないほうが良いだろうと珍しく大人な分別で、今日は、京見峠~持越峠を回るだけにしました。ちょっと久しぶりのスチームローラーでしたが、やっぱり固定ギアは楽しい。

持越峠から雲ヶ畑に降りて、まっすぐ帰るのが惜しくなり、岩谷山 志明院まで足を伸ばしました。峰定寺と同じく撮影禁止なのでお寺の近くで写真は撮りませんでしたが、ここも良い山寺です。

面白いことに、入山料が通常300円のところ、自転車で来た人は200円なんです。それを調べて来たのか、女性ふたりが自転車で登っていました。ひとりはクロスバイク、ひとりはママチャリ! 僕が出会ったのは下山の途中、上の写真を撮っているときでした。ここから先がけっこうきついんです。無事にたどりつけたかな…

サイクリングレポート:花背 大悲山峰定寺

朝早く起きることができたら自転車で遠出をしようと思っていたのに、予想通り寝過ごしました。しかしこんなに良い天気、やはり乗らずにはすまされない。どこに行こうか思案する間ももったいないので、とりあえず花背峠を目指しました。

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水も補給食も持たずに飛び出したので、花背峠を越えてすぐ花背別所町の「カウベル」で昼ごはんにしました。だしてもらったコップの水を一気に飲み干し、店の人を驚かしてしまいました。

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いつものように周山に抜けてもつまらないので、久しぶりに花背の奥まで足を伸ばしました。大布施町、八桝町を通って花背のいちばん奥の原地町まで。花背峠の登りでは汗をかきましたが、このあたりまでくると風は肌寒い。でも日差しが暖かく快適でした。

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原地町から東に入って峰定寺の門前まで来てみたら、土曜なのにひとりの参拝客も見当たりません。ならば舞台造の本堂を独り占めにしてやろうと、久しぶりに参拝してゆくことにしました。

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峰定寺の本堂は、清水寺の本堂と同じ崖からせり出した舞台造です。高い山の途中にあるので舞台からの眺めは清水寺を凌くと思います。怖いくらいに迫力満点。高所恐怖症の人は無理です。絶対。

独り占めの舞台は最高でした。境内は、カメラや携帯電話の持ち込みが禁止されているので、写真はこの仁王門までです。

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大悲山峰定寺、一見の価値はある寺ですが、いつ来ても人が少ない。と言うより人がいない。

昔は石楠花が有名で、花の季節には大勢の観光客で賑わったそうです。この門前橋周辺にもたくさんの石楠花が自生していたそうですが、現在は影も形もありません。すべて、鹿が食べてしまったそうです。

前回参拝した時に面白い話を伺いました。昔の鹿は山椒を食べなかったのに、近頃の鹿は山椒も食べる。もしかしたら味を覚えて、むしろ好んで食べているのかもしれない、というのです。鹿も生きてゆくために進化するんですね。

舞台でのんびりしていたら良い時間になってしまったので、サイクリングはここまで。来た道を大布施町まで引き返し、周山に抜けて帰りました。まぁ、楽しいサイクリングでした。