コモディティ化の功罪
もう50年近く昔の話。はじめての自転車は従兄弟のおさがりでした。
ブリティッシュグリーンのフレームに、同じ色の「鉄の」フェンダーやチェーンカバーがついていました。小学校の5~6年生になるまでは、たしか乗っていたので、従兄弟が買ってもらったときから数えると20年近く使ったはずです。それでも自転車が壊れた記憶がありません。メッキ部分に少し錆が浮くようなことはありましたが、錆だらけになるようなこともありませんでした。
自転車は今よりはよほど高価ものでしたが、そのぶん品物も良かったのでしょう。また高価なものだけに大切にもしていました。親からも口うるさく言われて、外に出しっぱなしにするようなこともなかったし、雨に濡れた後はちゃんと拭いていました。身の回りの整理整頓や掃除は大の苦手なのに、今でも自転車だけは綺麗にしておけるのも当時身につけた習慣のおかげかもしれません。
今、量販店に行くと子供用自転車は(大人用自転車もですが…)1万円代から売っています。安いこと自体は悪いことではないのかもしれません。でも雨ざらしにされていたり乱暴に扱われている子供用自転車を見ると、それは拙いんじゃないかと思います。年寄りの僕の感覚では、自転車はもっと大切に扱うべきものであってほしい。
コモディティ化の功罪。自転車だけの問題でもないですが…