京都自転車日記

夏目漱石に「自転車日記」という小文があります。畏れ多いと自覚しつつブログのタイトルに拝借しました。京都市街は東西にも南北にも約10Km、自転車サイズの街です。美しい山々が街を囲み、その向こうには趣きのある山里や山寺が点在し、サイクリングコースに事欠くことはありません。 恵まれた環境が独特の自転車文化を育み、個性的な自転車屋さんや自転車愛好家が集まるお店がたくさんあります。 そんな京都の自転車事情を全国の自転車愛好家に紹介できたら良いな、と思っています。

セラ・アナトミカ タイタニコ(Selle Anatomica "Titanico")

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セラ・アナトミカのサドル。「タイタニコ」と云うプロダクト名はありますが、セラ・アナトミカは「タイタニコ」シリーズしか作ってないのであまり意味はありません。(写真は「タイタニコ X」この色はもう廃番です)

これが、実に素晴らしいサドルです。僕はなんと5つ持ってます。ロードにもマウンテンバイクにも、フィクシーにもロングテールバイクにも、このサドル。シクロクロスバイクにもつけていたのですが、今はレースに備えてフィジークのサドルに変えています。(革サドルは重いので)

本当に素晴らしいサドルなのですが、2~3年にわたり5つのサドルを使って、わかったこと(問題点)もあります。セラ・アナトミカのサドルを買ってみようかな~と思っている人(そんなに居ないと思うけど)の参考になればと思って、書いておきます。

タイタニコシリーズには

  • 体重が72kg(160lbs)以下の人のための「タイタニコ」 と
  • 72kg以上の人のための「タイタニコ X」
  • 110kg(250lbs)以上! の人のための「タイタニコ NSX」があります

NSX」にはセラ・アナトミカの特徴である大きなスロットがありません。

そして、それぞれに

  • 防水の革(WaterShed Leather)と
  • トゥルー・レザー(TruLeather)

の2種類の革があります。

防水の革は、ブラック、グラファイト、マホガニー。トゥルー・レザーは、ナチュラル、ビンテージ、パテント・ブラック、それぞれ3色のカラーバリエーションがあります。

防水の革の防水性能は(あとで記す例外を別にして)驚異的です。合成皮革と同じように扱えます。

トゥルー・レザーのバネ感の有る乗り心地は最高です。ただし通常の革サドルと同じように扱う必要があります。(雨の日のサイクリングで使ったら、一日で駄目な感じになってしまいました)

問題というのは防水の革のカラーバリエーション、色によって革の質が異なるのです。(トゥルー・レザーは、パテント・ブラックしか使ったことがありませんが、知人が使っているナチュラルを見た感じでは、色による違いはそれほどなさそうです)

グラファイトが一番硬く、マホガニー、ブラックと柔らかくなります。乗り心地や耐久性(柔らかいと伸びやすいみたい)が変わります。

さらに問題なのが防水性能。ブラックは完璧です。グラファイトも(まだそれほど使ってないので確信は持てませんが)ブラックと同じくらいの性能を期待しています(ホースから水をかけて丸洗いしたくらいでは問題ありませんでした)。

が、マホガニーは、雨の中に放置しておいたら水滴を吸ったところが膨らんでいたことがあり、ちょっと信用出来ないと思っています。

で、どれがお薦め? と問われたら。

トゥルー・レザーの乗り心地も捨てがたいのですが、防水の革の扱いやすさは何物にも代えがたい…で、僕はやっぱり防水の革を選びます。なので、防水の革でも防水性能が信用できないマホガニーはちょっとね。ブラックかグラファイトですね。

ブラックは革が柔らかい(たぶん伸びやすい)ので、体重が60kg台の人でも「X」のほうが良いかもしれません。逆にグラファイトは硬いので72kgちょいの人でも「X」だと硬すぎるかもしれません。

僕(体重68kg)のセラ・アナトミカは、どれもまだまだ使えそうですが、買い換えるとしたら「ブラックのタイタニコ X」か「グラファイトのタイタニコ」だと思います。今すぐ買い換えるとしたら、実績を買って「ブラックのタイタニコ X」かな。

セラ・アナトミカは、カラバリによって革の質が違うから気をつけたほうが良いよ! っていうお話でした。