京都自転車日記

夏目漱石に「自転車日記」という小文があります。畏れ多いと自覚しつつブログのタイトルに拝借しました。京都市街は東西にも南北にも約10Km、自転車サイズの街です。美しい山々が街を囲み、その向こうには趣きのある山里や山寺が点在し、サイクリングコースに事欠くことはありません。 恵まれた環境が独特の自転車文化を育み、個性的な自転車屋さんや自転車愛好家が集まるお店がたくさんあります。 そんな京都の自転車事情を全国の自転車愛好家に紹介できたら良いな、と思っています。

新車購入編その15 - 前後ディレイラー変更

新しい自転車を5~7速にすると決めたとき、ディレイラーにはDura-Aceをいただいたのですが、その後、ほかのパーツや、フレームのデザインコンセプトが固まってゆく中で、これならディレイラーはツーリングバイク用のほうが相応しいのだろうな~、と思うようになっていました。

ボスフリースプロケットを選ぶ段になって(当初は13-24のつもりでしたが)このさい、カッコつけずに13-28にしよう! と決めたので、Dura-Aceはあきらめました。

しかし、8速チェーン対応のディレイラーというと、現行品ではシマノCLARISだとかTOURNEYだとか、あまり聞かないようなコンポしかありません。シマノのサイトにすらちゃんと紹介されていないし、やっと見つけたTOURNEYのリアディレイラーを見てみたら、本体の素材はレジン。レジン? 樹脂ですか! 安いのはありがたいけど…

しかし幸いなことに、ツーリングバイク用ということならSunXCDというメーカーが、8速チェーン対応のディレイラーを作ってくれています。これだと、I's BICYCLEさんへ行けば手に取って見ることができるので、でかけて行って、フロント、リア、セットで購入してしまいました。

8速チェーン対応のディレイラー、ウェブで探してみましたが、ないですね~

Rivendellあたりの完成車だと… と思って見てみましたが、普通に105とかデオーレの10速~11速みたいですね。

SOMAのDouble Crossという完成車は8速です。紹介文を読んで我が意を得たりと思いました。曰く「Don't scoff at 8-speed! 8-speed is less finicky than the 10 and 11-speed drivetrains.」

しかし使っているのはシマノCLARIS。リアディレイラーの写真を見ると、機能的には十分なのかもしれませんが…

同じくSOMAのGrand RandonneurとかSagaなどの9速モデルは(僕のと同じ)SunXCDのディレイラーを使っています。

SunXCDが作ってくれているのは大変ありがたいけど、ハイエンドな8速チェーン対応ディレイラーを作ってくれるメーカーが他にもあってほしいな~。

固定ギアのギア比 および セッティング

はてなブログアクセス解析によれば

  1. セラ・アナトミカ タイタニコ(Selle Anatomica "Titanico")
  2. 固定ギアツーリングバイクのギア比検討中
  3. 恐るべしブルックスプロフェッショナル
  4.  サーリー スチームローラー:固定ツーリング仕様

このブログでは、上記の4つの記事が良く読まれています。

セラ・アナトミカ、固定ギア、スチームローラーは、取り上げているブログなどが少なく、検索エンジンで上位に来るのかな? ブルプロは、逆に探す人が多いのかな?

先日、空井戸サイクルに僕が乗って行ったスチームローラーを見たお客さんから、固定ギアについていろいろ聞かれてお答えするという機会があって…

そういえば「固定ギアツーリングバイクのギア比検討中」の記事も、いまだに探して読んでくれる人がいるので、もう少し補足しておこうと思いました。

固定ギアバイクのギア比

記事を書いた時点では「46t×18t(ギア比2.555)あたりが万能」と書きましたが、その時点でのタイヤは25c。その後33.333cのタイヤに変えたので(クランク一回転で進む距離も伸びるので)今は46t×19t(ギア比2.421)にしています。タイヤの太さで多少の調整は必要ですが、固定ギアツーリングバイクのギア比としては、やはり、2.5前後が良いと思っています。

ただし、僕と一緒に固定ギアバイクで琵琶湖1周をしたり、グランフォンド京都を走ったりしている仲間たちは、ギア比2.75~3(タイヤ、23c~25c)くらい。脚力に自信があれば、それくらいのほうが、降りや平地走行では楽ができます(くるくる回さなくてもよい)。

固定ギアバイクのセッティング

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先に書いたように軽めのギア比(2.5前後)にしているので(平地走行ではケイデンスを上げれば良いだけなんですが)降りでは脚がくるくる回ります(回されます)。

クランクの回転に脚がついて行かなくなると、わりと恐ろしいことになるので(その前にスキッドするなりブレーキをかけるなりすれば良いことなんですが)少しでも脚を回しやすいように…

  1. 僕の身長(177~178cm)だと普通は170mm~172.5mmくらいのクランクを使いますが、スチームローラーには165mmのクランクを使っています。
  2. さらに、サドルの高さを、他の自転車よりも10mmほど高くしています。これも脚を回しやすくするためです。
  3. サドルの前後位置も、他の自転車よりやや後ろです。なぜかはわからないのですが、そのほうが脚が回りやすいように思います。
  • 追記:クランクを長くして(てこの原理で回す力は大きくなる)ギアを重くし、クランクの回転数を減らすという考え方もあるとは思いますが、一度、降りのカーブで、ペダルを擦った(降りでもクランクは回し続けなきゃならないので)ことがあって、それが怖くて、クランクを短くしました。

なんて書いていると、固定ギアって面倒だな、と思われるかもしれませんが、バックを踏んで(クランクの逆回転の方向にペダルを踏んで)速度をコントロールしながらヘアピンを回る時なんかは、もう楽しくって仕方ない。うまく言えないけど、とにかく楽しいんです(笑)

少しでも多くの人に、固定ギアバイクの楽しさを知ってほしいな。

新車購入編その14 - ホイール発注

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ブレーキと一緒に126mmのフリーホイール用ハブも到着したので、すでに届いていたフロントハブと合わせて、もうホイールが組める! ホイールを組んでタイヤもはめて、飾っておけば気分も盛り上がるだろうと思い、ホイールを発注してきました。

タイヤを700c x 33.333のJack Brownと決めているので、リムも幅の広いもの。まずは、MAVICのA719やA319などを考えてみましたが、A719は黒しかないので却下。

A319はスチームローラーで使っていて、悪くないのですが、重い(その分、剛性も高く丈夫ですが)。固定ギアの場合、重いホイールもそれはそれで楽しいのですが、新しい自転車にはちょっと違う。本格的なツーリングバイクなら、頑丈であればあるほど良いのでしょうが、日帰りツーリングバイクなんで……

軽いのがあれば軽いほうが良いかな? ということでVelocityのDyadを候補にあげました。無我さんに「どうでしょう?」と相談してみたら「良いんじゃないですか」ということで、さっそく発注。

したのですが、残念なことに代理店に在庫切れ。しばらく待つことになります。とはいえ、フレームはまだまだなんだし、まぁ、待ちましょう。

新車購入編その13 - ブレーキ

Grand Cru Long Reach Brakeset

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新しい自転車のタイヤは、Jack Brown(700c x 33.333)と決めているので(これだけは最初からブレてません)一般的なショートリーチのサイドプル・キャリパーブレーキが使えません。

ランドナーなどに使われる、カンチブレーキやセンタープルブレーキにするか、スタンダードリーチ(いわゆるロングリーチ)のサイドプル・キャリパーブレーキにするか。

6速にするからといって、クラシックバイクにしたいわけではないので、現代の自転車として標準的な、サイドプル・キャリパーブレーキのほうが良いかな~、とは思うものの……

スチームローラーにはシマノのBR-R650という(いちおう上級グレードの)スタンダードリーチのサイドプル・キャリパーブレーキを付けているのですが、いささか頼りない。

もっと良いのはないのか、と思ってググってみたらコンパス・バイシクルズのブログで絶賛されている製品を発見*1。「おやVolo ORANGEのブレーキはそんなに良いのですか」「じゃぁブレーキもVolo ORANGEに揃えちゃいますか」となり、

とりあえずスチームローラーのブレーキをこれに交換し、問題なければ、新しい自転車にも使うことにしました。

Volo ORANGEの製品にしては高価なので、仕上げはどうかな? と期待していたのですが……

光の加減によって見えてしまうドリルの軌跡から「CNC切削で仕上げているんだなぁ」とわかったり、ハンド・ポリッシュドだということが嘘でないとわかる手仕事感あふれる磨き方だったり(笑)はしますが、金属部分の仕上げは、クランクセットよりずっといい感じ。

ただ、プラスチック部品がなぁ…… なんとかならないのかなぁ…… $170もするんだからさぁ……

まぁまぁ、大事なのは性能。早くスチームローラーに付けたい。

*1:テストバイクが竹フレームでも有名なカルフィーのバイク。そんな高級車に使われるってことは良いブレーキなんでしょう。

昭和は遠く……

学生時代に学校が市内の東山七条から郊外の桂に移転し、電車(市電!)通学からバイク(モーターサイクル)通学に切り替えたのがきっかけでどんどんのめりこみ、モトクロスやトライアルに夢中になっていた時期があります。

大学を卒業したころ、仲間の誰かが自転車ロードレースを始めたのをきっかけに、モトクロス仲間のあいだでロードレースが流行り、僕も自転車を手に入れてロードレースに挑んだことがあります。

今回、リア6速でフリクションシフトと考えているのは、ひとつには「変速って、あの頃ので何の不自由もなかったよなぁ」という気持ちがあります。あの頃、80年代前半、僕にとってはつい昨日のように思うこともあるのですが……

Flickrに「CLASSIC LIGHTWEIGHT STEEL BICYCLES」というグループがあって「classic」の定義が「from the 30's to 1990」。う~ん、昭和は遠く……

www.flickr.com

My Path Racer - Surly Steamroller

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良い天気だなぁ、グランフォンド京都に参加した知人はもうゴールしたかなぁ、などなど思いながら、どこへ行くとも考えずにスチームローラーのペダルを回してきました。何年か前には、このスチームローラーで僕もグランフォンド京都を完走しました。

以前のサーリーのサイトに「スチームローラーは進む道のりをすべて平らにしてしまう…… このスチームローラーでこぎ出した瞬間から、あなたはとめどなくペダルを回し続け、幸福感、充実感に浸ることになるでしょう」というようなことが書いてあったのですが、ホントその通りです。

僕のスチームローラーは、33.333cという太いタイヤを履いていて(こんなタイヤが履けるのも、スチームローラーの美点です)、ハンドルはラウターワッサー・バー、エドワード朝の「Path Racer」と言った趣です。

ねらってこうなったのではなく、3本のフレームといくつかのホイール、数え切れないほどのハンドルバーやタイヤを、とっかえひっかえ、あ~でもない、こ~でもない、とやって、このスタイルに落ち着きました。

「Path Racer」というスタイルはあとで知ったので、何も知らずあれこれ試した結果が、オールドファッションドなスタイルにたどり着いたというのが面白い、と思っています。

新車購入編その12 - デザイン着手!デザイン開発依頼書最終案

さっき空井戸サイクルに寄ったら「そろそろ図面にかかります」と聞いたので、家に取って返して、前にデザイン開発依頼書を渡してから気が変わったところ(すみませんw)をまとめてあったデザイン開発依頼書の最終案をプリントして届けてきました。

イメージがかなり固まってきたので、もうぶれることはないと思います。あ~、楽しみだ~ :-)

デザイン開発依頼書(最終案)

用途、カテゴリ

  • Long distance road cycling(長距離を楽に)
  • ≠ randonneuring(1000kmも2000kmも乗るような馬鹿はしない)
  • ≠ bike-touring(日帰りしかしない)
  • 50km~160kmの半日~日帰りサイクリング
  • フェンダーもラックも付けないツーリングバイク

コンセプトキーワード

  • Gran Fondo
  • Simple
  • Basic
  • 80’s

フレーム仕様

  • リム幅24mm(18.6mm)
  • タイヤ:700c×33.333
  • エンド幅126mm(6速)
  • キャリパーブレーキ(reach:47-57mm)台座
  • スレッドステム
  • Wレバー台座
  • ボトルケージマウント(ダウンチューブに1つ)